モノにも命と感情がある

自分のまわりのモノがきれいに片付いているかどうかが、ときに私の健康やら気分やらに影響しているらしいーーということを実感するようになったのは、レイキを始めて1年もしないうちでした。そのころ私は、ちょっと高めの血圧が気になっていて、しかしクスリはゴメンだと思っていて、検査と診察は受けるけれどもクスリはずっと断っていました。医者からは「もうそんなに抵抗しなくてもいいと思うんですけどねえ」とまで言われましたが、外から何か入れて化学反応でナニするというのが気に食わず、自分でなんとかしようと試行錯誤していました。

そんなとき、10年以上整理せずに山積みになっていたメモ、ノート、写真、ネガ(昔のフィルム写真の原板)、録音テープなどのほか、古着や家具などを一挙に整理して、廃棄するモノはきっぱり廃棄したのです。そしたら、翌日、いつものように家庭用のデジタル血圧計で血圧を測ったら、上で120くらいの「健康値」が出たのです。 

最初は誤作動だと思ったほどだし、第一、モノを整理したのが原因だなんて発想自体がありません。しかし測りなおしても同じような数値で、キツネにつままれたような気分のまま、理由をさぐってみて、もしかしたら…と最後に思い当たったのが、「モノの処分」だったのです。

エ~?いや、まさか…?と思いながらも、レイキ、呼吸法、お念仏、半身浴など「見えない世界」の実践と、師匠や仲間から聞いてきた体験談などから、そういうこともあるかもなと次第に思えるようになったのです。

あれから10年以上たち、さらにレイキほかの実践を積んだ今では、まさにあの大処分が血液循環を健康値に引き戻してくれたのだろうと、ほぼ考えています。一番の根拠は、こういうことは、やった本人の実感としかいいようがない。実践している人なら、同じような感覚になるだろうと思います。

以前にお付き合いのあったレイキの先生に聞いた話ですが、ある会社の社長さんは、ベッド脇に積み重ねてあった本の位置を変えただけで、それまで患っていた目と耳の痛みがなくなった。そういうことが、あるそうです。

このように、家のなかのモノは、私たちの心身のありように影響しているようです。だから壊れているモノがあれば、直してやる。音が出るモノで出ずらくなっているものは、出るようにしてやる。開け閉めして機能する道具なら、しっかり開閉して使ってやる。散らかっていれば、整理してやる。汚れていれば、きれいにしてやる。そういうことが大事なようです。

要は、しっかり使ってやれ、利用してやれということですね。そうでないと、そのモノが、居ずらくなって、苦しんでいる。その苦しみが、そばにいる人間の健康に悪影響をおよぼした。…というより、「救ってくれよ」という「お知らせ」を出した、ということでしょう。

ところで、まえに見たテレビ番組で日本在住の知日派外国人が、感嘆したように言いました。「モノに感情があり、命がある、なんていう(すごい)考え方をするのは、世界じゅうでも日本人くらいじゃないでしょうか?」。彼は来日してこういう日本人の感性に学びたいと思ったころに、100年前に作られたガラスの置物を誤って割ってしまった。高価なモノだからというよりも、それだけの年数生きてきたそのモノへの申しわけなさを感じて、「泣いてしまいました」と思い出話をしていました。

日本古来の考え方では、この世の万物には神が宿っている。「八百万(やおよろず)の神」というやつですね。そして命と感情さえ備わっているのだといいます。一方、現代科学では、すべてのモノが振動しているといいますから、日本人の昔からの感性は正しいように感じます。高い周波数で振動するエネルギーを「神」と呼んできたと考えれば、納得できますね。

そのそれぞれの周波数で振動するモノたちは、故障したり使われなかったりで、本来の役割を果たせずに放置されていると、「悲しみ」の振動を出しているのだと思います。それが「雑音」となって、私たちの暮らしの環境に良くない影響をおよぼす。私の場合、それが血液循環のとどこおりというか、交通渋滞のような状況をつくり出した。そう解釈しています。

だから、日本人がきれい好きで、家のまわりや道路にだっててゴミを散らかさないよう熱心(な人が比較的おおい)というのは、大事なんですね。自分の人生をより快適に、安全にすごせるだけでなく、宇宙のよろこぶくらし方になっている。職場などで、「掃除するプロの仕事を奪うことになるから、自分では掃除しない」という言いのがれがあるとしたら単純に、本人にとってソンなだけです。

これはまた、「こんまり」こと、あの近藤麻理恵さんの「かたづけ術」にも、通じる視点です。だからこそ、物質至上主義のあのアメリカでさえ、彼女に注目したのでしょう。それは、万物の霊長たる人間と、モノとのつきあい方という話です。

神さま、仏さま、今日の気づきを、ありがとうございます。

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