レイキは日本で創始、「受けとる文化」だからこそ

 私は、もう20年ちかく、自分なりの健康法を実践しています。これまで人に習ったり本で読んだり、自分で思いついてやってみたりしたことを組み合わせたものです。名前のついたものだけいえば、冷え取り、プチ断食、呼吸法、お念仏、ウォーキング、水泳、レイキなどです。

 今日はこのうち、レイキについて少しふれます。

レイキは、日本発祥の気功のような手当て健康法です。人の症状のある部位に私が手の平を添えると、本人の必要とするだけのエネルギー(気)が私の手をとおして吸いとられます。私からいえば、宇宙に偏在するエネルギーが、私の体をパイプにして手の平を出口にして相手に流れ出てくれるのです。

 などと書くと、初めての人にはなんだかウサン臭い話にも聞こえるでしょうが、実はこのレイキは世界的にもメジャーなヒーリングです。愛好者数は世界に300万~600万人といわれます。ずいぶんとあらい統計ですが。英国では医療保険がきき、米国では医療現場でレイキヒーラーが医者の補助をする場合もあるといいます。

精神的な症状にも効果が認められており、例えば米国では、湾岸戦争で精神を病んだ帰還兵の治療にレイキがつかわれているという報告が、「レイキ」の名前入りで日本の全国紙(毎日新聞)に紹介されました。ついでに、レイキは宗教とは一切、無関係です。

 このレイキで重要な技術が「ヒビキ」です。これは手の平を相手の部位に当てたとき、手に感じる感覚です。熱く感じる「熱感」、ピリピリする刺激「ピリピリ感」、脈拍のリズムにそった脈動感などがあります。相手の必要とするレイキの量が多ければ多いほど、ヒビキは激しくなります。術者はヒビキを目安に手を当てる部位、時間を調整しながら施術をすすめるので、ヒビキは重要です。精妙な感覚なので、初心者が会得するには時間がかかる場合があります。

このヒビキは日本でレイキがはじまったとき、当たり前の技術だったようですが、世界に広まるにつれて、ヒビキをとらない施術者がでてきました。体得までの時間に個人差があり、そもそも海外ではヒビキを教えない指導者もいるようです。

私が初心者のとき、ある先生からは、「高田先生が外国人にヒビキを伝えようとしたけれど、外国人には習得できなかったのではないか」と教わりました。「高田先生」とは、レイキが世界に広まるまえに、日本国外で最初の普及地となったハワイで最初に、外国人にレイキを伝えた高田はわよ先生(ハワイで生まれたので「はわよ」と名付けられた)のことです。

 外国人には日本人ほどの「共感力」がないから、というのがその先生の理由でした。客観的にみて、日本人の他者への共感力は、外国人とは比較にならない深さだと思います。伝統文化のさまざまな面に、それが表れています。

 そしてその強い共感力の基本になっているのが、日本人の「受けとる」重視のこころです。むづかしい言葉でいえば、日本は「受信者責任型」の文化です。情報を受けとった側が、責任もってことに当たる。受けとる側が主体となるエネルギーの流れ方を優先する文化です。

この「受けとる側が主体となる」という民族的な、こころの土壌があったからこそ、レイキは日本で日本人(臼井みかお氏)によって「発見」されたのです。京都・鞍馬山での断食修行中の「発見」という実話をまとってはいますが、「受けとる」に敏感な日本人だからこそ、その民族のくらす日本で、レイキは発見されたのです。

そんなレイキを長年実践してきた私は、レイキというフィルターを通して世の中を見ることが多い。ときどきバイトをする飲食店で、お客さまへの配膳の直前に一瞬、静止すると、日本人のお客さまはすぐに居ずまいをただす人がほとんどです。こういうさりげないところに、日本古来の「受けとる文化」はまだ生き残っていると、感じます。

 外国人の訪日客は、簡単な飲食店でも、こうした日本のこころを体験できます。500円もかかりません。

 神さま、仏さま、今日の気づきを、ありがとうございます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました