恐るべし、きゃりーぱみゅぱみゅ!

 「神様」と私たちは何気なく声に出して言いますが、この言葉にも聖なる音、「聖音」(しょうおん)が入っていると気づきました。kami sama、つまりam amですね。神社の入り口などに鎮座まします狛犬(こまいぬ)の「あうん」と同じです。「アンー、オンー」と、宇宙に偏在するというありがたい音。日本ではこの音が「あうん」となり、西洋では「アーメン」となったといいます。

 考えてみると、もともと日本語の「~さん」「~さま」は、相手の名前の下に聖音”an”、”am”をつけて呼ぶことで、相手への尊敬や愛情を表したもののようにも思えます。一者の無限の力が相手に振り向けられて安全、成長、繁栄が期待されるから、「さま」「さん」という敬称が自然にできあがったのではないかな。勝手な想像ですが、語源に詳しい人に聞いてみたいものです。

 このように聖音を意識した、あるいは意識してないにしても同じことになっているこういうおトクな名前は、世の中によく見られます。とくに商売、ビジネスの世界では、注意してみるといくつか見つけることができます。

 例えば、女性雑誌の「ann ann」、「nonno」、炭火焼肉の「安安」(an an) 、企業名で「オンアンドオン」(on an on)も見たことがあります。

 ところで、世界ツアーも展開している歌手の「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんも、最初はずいぶんと変わった名前をつけたもんだなあと思いましたが、気づいてみれば、聖音(an am am)のかたまりです。その歌う歌詞にしても、聖音がずいぶんと盛りこまれています。

デビューしたての若手歌手がいきなり世界ツアーと聞いて、どんな人だろうと動画検索して彼女の歌を何曲か聴いてみて、気づきました。

例えば、キャンディー、キャンディー、と5回続けるところでは、an,an,an,an,an, と聖音の5回連続で、これを1曲のなかでなんどもくり返して聴き手に浴びせるわけです。ポン、ポン、も on,on, の連続で、1曲中になんど出てくるのでしょうか。ほかにも、にんじゃりバンバン、も in,ai,an,an, と聖音が連発されます。

意図してやっているとしたら目の付けどころがすごいスタッフを抱えているし、かりに意図していないとしたら、人を幸せにしたいと願う心がすさまじい感性をもっていると、思います。

 おそるべし、きゃりーぱみゅぱみゅ!

 神さま、仏さま、今日の気づきを、ありがとうございます。

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