仏教に『般若心経』(はんにゃしんぎょう)という経典があります。わずか262文字にまとめられた宇宙論です。英語ではハート・スートラ(heart sutra)とよばれ、世界的に知られています。動画投稿サイト(ユーチューブ)でも、国内外のいろんな人が自分なりの節をつけたりしているのを閲覧できますね。
その般若心経のおしまいのところにーー
ぎゃあてい、ぎゃあてい、はらぎゃあてい(羯諦羯諦波羅羯諦)
はらそうぎゃあてい(波羅僧羯諦)
ぼじそわか(菩提薩婆訶)
という文言があります。
これを唱えるだけで一切の苦しみから救われるといわれています。
筑波大学・名誉教授の大藪正哉さんは、この「羯諦羯諦」を唱えて病気を治した人をたくさん知っているといいます。大藪さんが住職をつとめる東京・天徳院の『般若心経と呼吸法』という講座で、教わりました。
ほかの言葉でもいいそうで、ご自身に魚の目ができて困っていたとき、
「よくなる。よくなる。治ります。必ずよくなる。治ります」
と、3か月ほど唱えたら、魚の目がぽろっと取れて、自分でもおどろいたそうです。
とにかく毎日、こうした言葉をくり返し唱えることで、体のリズムが宇宙のリズムに調和してゆくといいます。
別に、なにか病氣がかならず治らなければ、ということではありません。毎日、10分でも15分でも、アファメーション(単純で肯定的な自己暗示)をくり返ことで、こころはさわやかになる。
これは、自分でやってみれば実感できます。前向きな言葉を口に出して毎日のように唱えていると、気分が軽くなっていくことが多いようです。
大藪さんは毎朝、こう唱えているそうです。
「おかげさまです。元気です。きょうもニコニコありがとう」
「何となく、心さわやか、ありがとう」
私は毎日、般若心経を唱えていますが、なにかあるとその他にも、さっきの「ぎゃあてい、ぎゃあてい…」をつぶやきます。こころとからだの、カンタンな養生法です。
「見えない世界」に現代人より敏感だった昔の日本人には、何か自分なりにこうした健康法をもっている人が多かったのではないかと思います。
人間にはつまり、もともと病気を自分でいやす相当な力が内在している、というより、そもそも「宇宙のリズム」と調和して暮らせば、健康を維持・増進できるということでしょう。
神さま、仏さま、150億年のご先祖さま、今日の気づきを、ありがとうございます。
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