さだまさしさんの名曲『風に立つライオン』(作詞・作曲さだまさし)は、なんで「ライオン」なんだ?と、ぼんやり疑問でした。あるとき、ああ、「百獣の王」だから、「万物の霊長」つまり人間である自分をたとえているのか、と気づきました。そしたら、ほかの部分にもいまの自分に必要な解釈がひろがって、「すごい歌詞だな」とあらためて感動しました。
もう40年ちかく前、1987年につくられた歌で、時代背景がいまとはまったく違います。日本経済がいけいけで、金持ちニッポンを謳歌していたころに、このような自分の国の足元を見直すような歌を発表した心の姿勢が、すごいと思います。
そのころと反対に「貧しく」なり、存亡の危機さえ叫ばれている今の日本を生きる私の勝手な解釈を、メモしておきます。ですから、作詞者の作詞意図とは、関係ないものです。
①「ライオン」ーー「ボク」のたとえ。
②ビクトリア湖、キリマンジャロ、白い雪、湖
ーー生物以外も、宇宙全体が「いのち」だ。
③「おめでとう、さよなら」
ーーこの順番で簡素にならぶ2つの言葉の愛とさわやかさ。ひと言で相手の宇宙を祝福してすぐ、ひと言でその人との時間・空間を締めくくる。空っぽになった「ボク」は、新たな宇宙に入ってゆく。同時に「さよなら」は、歌詞の宇宙全体をしめくくる。あざやかだなあ。
④「いまを生きることに思い上がりたくないのです」
ーー「いま」:地球の「いのち」が「カネ」に侵されつづけている現状。「弱肉強食」に侵された世界で、人間にも強者と弱者ができている。自分は万物の霊長として、自分をふくむ「いのち」の衰弱を見て見ぬふりもしたくないし、弱者のうえにあぐらをかいて「これでよし」とする生き方もしたくない。
➄「あなたや日本を捨てたのではなく」
ーーあなたをふくむ「いのち」を助けることになる生き方をしたい。先進国・日本の一員として他国の弱者を助け、「いのち」を生かす生き方をしたい。
⑥「風に向かって立つライオンでありたい」
ーー「いのち」が殺され続けるという逆風に立ち向かい、生きつづける。万物の霊長として、「いのち」を生かし続ける生き方を選びつづけて生きていきたい。
⑦「よどみない命を生きたい」
ーー循環して持続可能な「いのち」の宇宙を生きたい。
さだまさしさんに、ありがとう。
神さま、仏さま、今日の気づきを、ありがとうございます。
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