宇宙は肯定的にできているーー武道、書道、レイキ

 日本古来の武道の動きには、ためる、対抗する、ぶつかるが少ない、といいます。逆らわずに円滑に体を動かす。合気道をイメージすると、分かりやすいですね。

 こうした基本は、「宇宙はもともと肯定的にできている」という日本人の洞察というか、生活実感のようなものから生まれたのだろうと思います。レイキが肯定のエネルギーなのと、同じことですね。

 逆にいえば、「対抗」や「ぶつかる」は、いわば宇宙の「道」の否定につながります。conflict(衝突、争い)を基本とする欧米の文化は、日本古来の精神文化からみれば異質であるだけでなく、この宇宙の摂理に反しているのです。

 宇宙150億年の歴史は、低級なものから高等なものへ、単純なものから複雑なものへと、一定の方向を向いて進化してきました。宇宙発展の方向は、定まっているのです。その方向をむいた道すじを、日本人は「道」と呼んだのだと思います。それに逆らえば、体はムダにつかれるし、ものごとは円滑に進まない。

武道家の甲野善紀さんによれば、昔の職人さんなどは、昼間は体をつかっても夜は遊びにでかけたいから、合理的で疲れにくい身体の使い方を知っていたといいます。その体の動きが、「ためない」「さからわない」になるようです。昔の日本人はここでも、宇宙の進化の方向「道」にそった暮らし方をしていたのですね。本当の意味での、合理的な暮らし方です。

 そして、漢字の書き順が、まさにこの「ためない」「ぶつからない」で円滑に筆を運べるように決められているようです。美しい字を書くための約束事ではありますが、それ以上の意味があります。

 ですから「書道」は、「道」にそって、肯定的に「文字という宇宙」を完成させる実践なのですね。「書くことによる『道』の実践」といってもいい。

 たとえば「成」という字の書き順をみれば、最初の2画の書き順をいれかえると、3画目へ移るときに筆をいったんためることになります。これはいってみれば、1つの文字宇宙を創りたいのに「道」からはずれたやり方をしている状態です。文字1字を書くのは小さな作業ですが、「道」にしたがって書けば、肯定の「氣」のはいった1文字となるでしょう。そんなことを、昔ながらの日本文化は教えてくれます。

 正しい筆順でかけば美しいだけでなく魂のこもった文字になる。魂のこもった存在は、美しくて力をもっている。宇宙はそういうふうにできている。

 日本古来の書道という文化が、そんなことを教えてくれています。

 神さま、仏さま、今日の気づきを、ありがとうございます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました