日々の暮らしは「ムシの知らせ」の連続

宇宙は「ひとつながり」であり、人間も潜在意識の世界でみなつながっているといいます。たとえば日本人が昔からよくいう「ムシの知らせ」も、この「ひとつながり」や潜在意識の存在をうかがわせてくれるものです。

ある日の朝、職場でのこと。開店前の準備をすすめる最中に、同僚の女性が突然、生き別れた自分の母親のこと、それにからむ自分の生い立ちを簡単に話し始めました。そこにいたのは私と彼女と2人だけです。けっこう大胆なことも含む内容で、よく私なんかにしゃべるなと感じつつ、「へえ~」「そうなんだ」とあいづちを打ちながら、作業を進めていました。

そして翌日の朝。職場に入る私を見るなり、彼女が興奮した様子でこう言いました。「きのう話した母親が、あのすぐあと亡くなっていたのよ。夕方に親戚から電話があって知ったの」「これが”ムシの知らせ”だって思って、なんだか怖くなったわ」「前の会社では従業員同士がみな家族みたいに仲良かったけど、それでも誰にも一度も話したことないのにーー」。

 さらに次の日の早朝。通勤電車のなかで、このことを思い出し、気づいたことがあります。レイキの「ヒビキ」のように、宇宙は五感をつうじて、私たちにさまざまな「お知らせ」をたえずくれます。実は「ムシの知らせ」は、人間にはふだんからあるのだろうということ。むしろ「ムシの知らせ」の連続が私たちの日常生活であり、私たちは「ムシの知らせ」のなかで生かされている、というのが本当の姿ではないでしょうか。

  *ヒビキ: 施術者の手に感知される、「レイキをもっとくれ」という患部からの「お知らせ」。その部位に手を当てる時間の基準となる。理想的にはヒビキがほぼなくなるまで手を当てる。手の平が温かくなる「熱感」、逆に冷たくなる「冷感」、手の平にピリピリとした刺激を感じる「ピリピリ感」ーーなどがある。

 「ムシの知らせ」は、心理学者のフロイトが催眠療法を目のあたりにして潜在意識の世界に気づいたという、たしか次のような話を思い出させます。

〈 フロイトの目の前で催眠をかけられた被験者に、「あなたが目を覚ますと雨が降っています」と医者がつげた。目をさました被験者は、すぐに傘を開いた。「なぜあなたは傘を開くのですか?」と医者が聞く。被験者の答えは「新しい傘を試してみたかった」とか、「なんとなくデザインを見てみたくて」とか。要するに、雨が降っているという「知らせ」を受けていたことを自覚できないまま、しかし被験者は傘を開き、質問に答えた。この一連の光景にフロイトは衝撃をうけ、瀬在意識の存在に気づいた〉――だいたい、こんなような話ではなかったかと覚えています。

母親が臨終の床で、生き別れた娘に思いをはせる。その「思い」を娘が潜在意識で感知して、すぐそばにいた私に「なんだかわからないまま」母親のことを語った。そういうことではないでしょうか。

 レイキをつづけてゆくと、こうした「知らせ」に敏感になり、「気づく」ようになっていきます。たんなる自意識過剰とは、違います。「気づく」ことが大切です。

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