養生してたら、クレアチニンが正常値に

養生は、現代医学を否定するものではありません。お医者さまから通院、投薬、手術の必要ありと診断された人は、それに従ってください。この基本を明らかにしたうえで、あくまでも私個人の経験ですが、ご参考までに、以下に添えておきます。

世の中には実にさまざまな健康観の方がいて、それぞれに自分のいいと思う健康法をやっておられると思います。そのなかにたとえば、日ごろの生活習慣に気をつける人たちがいる。具体的には昔ながらの「頭寒足熱」を心がけ、お風呂につかって体を温め、足元を冷やさないようズポン下を履き、クツ下を重ね履きし、寝るときだけでなく起きているときも必要なら湯たんぽをつかう。食事は1日1~2食、呼吸は深く吐く、言葉づかいに気をつけ、小さなことにも感謝の心をもつ…といったことをなるべく心がける暮らし方です。

またたとえば、かかりつけのお医者さまがいて、心身に不具合があるとそこに相談、診察をうけて、出されたクスリを飲む。手術や放射線治療などの必要を告げられれば受ける…という健康管理のしかたです。いまの日本人の健康管理は、これが圧倒的に多いのかもしれません。

ここでは前者の、私の例をあげておきます。

ある年の市民健診で、腎臓機能の指標となるクレアチニンという数値が健康値をはずれていると指摘されました。クレアチニンとは老廃物の一種で、健康なら腎臓でこされて尿となって排出されるものです。これの数値が高すぎると、腎臓が健康に機能していないということになります。

結果を説明するお医者さまは、実に親身になって説明してくださいました。

「あなたね、今日この病院を出たその足でかならず、かかりつけの病院に行ってください。こんなふうになって(胸の前で片腕を引きつったように曲げてみせる)、片足を引きずって歩いている人を街で見たことがあるでしょう?この数値では、あんなふうになってしまいますよ」。私の方へ身を傾けるようにして、本当に心配してくださっているのが、伝わります。

数日後、十数年来の知り合いの開業医をたずねました。医療とはまったく別の分野で知り合った仲で、医学関係の話をするのは、これが初めてです。このドクターは健診結果の紙に目をやりながら、おだやかに、「そんなに大騒ぎするような数値とも思いませんけどねえ…」とつぶやきました。

この感じなら、これまでどおりの養生を相変わらず続けるだけで、基本的にはいいのかな、というのがそのときの私の受けとめ方です。実は原因は自分でも心当たりがあったのです。前回の健診では腎臓に問題などなかったからです。

その頃の私の暮らし方は、朝めしは抜いて、昼はおにぎりかパンを1コだけ、夜は好きなだけ食べて、飲みたいだけ酒を飲む。自転車で往復20キロの通勤を週6日。休みの日も日帰りできるところならどこまでも自転車で出かける。自分で開いている週1回のレイキ施術会で2~4時間、人さまに手を当ててレイキを流させてもらう。半身浴をほぼ毎日1時間以上たのしみ、みぞおちから足先までを温める服の着方をして、時々は湯たんぽを使う。毎日ふとんの上、電車のホームや座席で、または歩きながら、自分の体に手を当ててレイキを流す。朝起きると、般若心経ほかのお念仏を30分間唱える(特定の宗教に入っているわけではなく、最初は呼吸法として始めたものです)。夜も気が向けば、お念仏をする(長くて3時間やったこともある)。お笑い番組をみてバカ笑いする…。こういうものでした。

このうちの昼の食事をゼロにして1日1食に移行しようと試みるなかで、夜の1食をドカ食いして寝る日が数か月続いてしまった結果が、クレアチニンに表れたようです。毎朝のお腹の状態から、それは自分でも「何とかした方がいいな」と、わかっていました。知り合いのドクターの言葉だけで「これまで通りでいい」と感じたわけではありません。

ですから健診後は、ドカ食いを避けながら、それまでどおりの暮らし方をつづけただけです。病院にもいかず、クスリも使っていません。そもそも健診の結果自体を忘れてしまいました。知り合いのドクターに話を聞いた日に、まあ大丈夫だろうと思って、意識から消えてしまったようです。

そして1年後、また健康診断を受けました。

結果を聞きに診察室に入った時には、お医者さまは私の前回と今回の結果を互いに何度も見直していました。あまりにさかんに顔を左右にふっているので、なんだろう?と思いながら、あいさつしてすぐ横のイスにすわって待っていると、

「おかしいなあ…、フシギだなあ…、う~ん…」と、ひとり言を言ってから、

「これ、今年の結果ねえ…クレアチニンの数値が、良くなってるんですねえ」

関西弁なまりなので、前回と同じ方だと気づきました。親切にも私の健康を心配してくださった、あのお医者さまです。

「あなたねえ、病院、行ってませんよねえ?」「ええ」

「…おクスリ飲んでませんよねえ?…」「はい」

「フッシギだなあ…」

私がほかの病院に行ってないのを、何かの方法で調べたのでしょうか。私がこの1年間、通院も投薬もしていないのを、最初からご存じの言い方でした。少なくとも同じ病院内では問い合わせたのだろうと思います。

結局、ほかの検査値もほとんど健康値内という結果でした(お酒の関係で肝臓機能のガンマーGTPが若干基準値をハミだしたくらい)。

日々の暮らし方がやはり大事だな、と改めて思いました。私個人にとっては、貴重な経験です。

ただし、これはあくまでも私個人の個別の例にすぎません。お医者さまから通院、投薬、手術の必要ありと診断された人は、それに従ってください。養生は、現代医学を否定するものではありません。

神さま、仏さま、今日の気づきを、ありがとうございます。

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